患者さんへ診療・疾患について

先天性心疾患について

産まれたときから心臓や血管の形が正常とは異なる病気を先天性心疾患と呼びます。日本ではその割合は、およそ100人に1人(1%)と言われ、何も治療の必要がない軽症例から、生まれてすぐに手術が必要な場合まで、さまざまな病態があります。特に複雑で重症な先天性心疾患では、1回の手術では最終目的に到達せず、段階的に複数回の手術が必要なこともあり、成人の一般的な心臓病手術とは大きく治療の考え方が異なります。先天性心疾患の治療においては、胎児診断および計画分娩、術前診断、術前管理、適正な時期の適切な手術、術後管理、これらすべてが高いレベルで行われなければなりません。

先天性心疾患について

手術方法

先天性心疾患の症状には主にチアノーゼ(低酸素血症)と心不全の2つがあります。これらの症状を良くするために行う心臓手術には、非開心術開心術の2つの方法があります。どちらの方法を行うかは病気の種類や手術の内容により異なります。
非開心術とは、心臓の表面や心臓から出る血管(大動脈や肺動脈)に対する手術で、心臓の拍動を止めずに行うため人工心肺装置は使用しません。一方開心術は心臓の内部の修復を行うために、人工心肺装置を使用して心臓を一時的に停止して手術を行います。過半数の心臓手術ではこの方法を用います。

手術実績

当院は県内の小児心臓外科基幹病院として、赤ちゃんから成人に至る全ての先天性心疾患に対応できるチーム体制を整備し、年間約80症例の手術を国内外でトレーニングを受けた経験豊かな専門医が行い、全国水準を上回る手術成績を残しています。またファロー四徴症に対するValve-sparing法(自己肺動脈弁温存右室流出路再建術)大動脈弓低形成に対する拡大大動脈弓形成変法等、独自の手術方法を世界に向けて発表し高い評価を得ています。また最善な治療をベストな時期に行えるよう、小児循環器科、麻酔科、小児集中治療科、産科等の各診療科の専門医や体外循環専門技師、看護師、薬剤師と密に連携し、”Patient First”の精神で日々診療に努めています。

ファロー四徴症に対するValve-Sparing法

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