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コンピューター流体シミュレーションによる 術後遠隔期のフォンタン循環の血流解析の検討

2019/07/12

臨床研究「コンピューター流体シミュレーションによる術後遠隔期のフォンタン循環の血流解析の検討

 

はじめに

単心室血行動態の心臓最終修復法であるフォンタン循環は、一般循環とは異なった特異な循環のため術後些細な要因で循環破綻を来たす例が少なくありません。特に下大静脈−心尖部同側の解剖学的特徴を伴ったフォンタン循環の場合、術後遠隔期に心外導管経路に伴う悪影響を生じることがあります。しかしながら現在の画像評価だけではその影響因子を完全に推測することが困難であり、本研究ではCT画像をもとに最先端のコンピューター技術を駆使して、血管内の流体解析などをすることで、悪影響因子を全て評価し得るような新しい解析法の開発につなげていきたいと考えております。この研究は皆さま方のご協力があって初めて成り立つものですが、参加については皆さまの自由意思に基づいておりますので、以下の文書に承諾いただける場合には同意書へのご署名をお願い致します。説明内容でよくわからない・疑問に思う部分などがありましたら、遠慮なくご質問下さい。

研究の目的

この研究は、フォンタン術後遠隔期に撮像したCT画像をCFD解析し、血流状態を可視化する効果を明らかにするための研究です。なお、本研究は筑波大学附属病院 臨床倫理審査委員会の承認を受けております

研究の方法

▼対象

筑波大学附属病院に通院中の方で、フォンタン手術を受けられた下大静脈−心尖部同側の解剖学的特徴をもつ方が対象となります。合計で10名を予定していますが、個人情報保護の観点からあなたが何人目かをお伝えすることはできません。

▼エントリー

本研究の参加条件に適合する方の中で、本研究へご参加いただく意思を確認させていただきます。

▼期間

2021年3月31日までの間に行います。研究期間終了後のデータ保存期間は10年間です。

▼CFD解析

フォンタン術後遠隔期に撮像したCT画像データを株式会社Cardio Flow Design社(〒102-0075 東京都千代田区三番町30-8)に送付しCFD解析を受託し、解析終了後のデータを受領致します。受託に際しては参加される方を特定できる個人情報は使用致しません。

 

研究計画書と結果の開示、研究成果の公表

ご希望により、研究計画書を入手したり閲覧したりすることができます。あなたのご協力によって得られた研究の成果は、匿名化された上で学会や学術雑誌などで公に発表されることがあります。

 

研究期間

この研究は2021年3月31日まで行います。研究の経過次第では、倫理審査委員会の承認を受けた上で延長される場合があります。

 

個人情報の保護とデータ閲覧

あなたの氏名など個人を特定できる情報は厳重に保管されます。データの匿名化を行います。個人情報と匿名化番号との対応表を作成しこれを鍵のかかる場所に保管することにより機密保持を図ります。情報管理者の許可なく個人情報にアクセスすることはできません。ただし、患者さんの人権が守られながらこの試験が適切に実施されているかを確認するために、この試験の関係者(当院の職員、倫理審査委員会の委員、厚生労働省の関係者、その他の試験責任医師が指名した者など)があなたのカルテなどの医療記録を見ることがあります。しかし、それらの者には守秘義務が課せられており、報告書などで、あなたの個人情報が明らかにされることはありません。この研究で得られた結果は医学雑誌などに公表されることがありますが、あなたの名前などは症例番号に置き換えられ、個人の特定はできなくなりますので、プライバシーは守られます。

個人情報の保管、廃棄の方法

本研究で得られたデータは、研究を中止ないし終了してから少なくとも10年間保管されます。保管期間終了後は、焼灼または裁断にてデータの削除が行われます。この試験で得られたデータが、本試験の目的以外に使用されることはありません。

研究の参加において受ける利益および不利益

CFD解析に伴う不利益はありません。また研究へのご参加による報酬はございませんが、本研究の成果は二心室修復が困難で単心室血行動態の心臓最終修復法であるフォンタン手術を目指す生まれつき重症な心臓病患児に対する、今後の遠隔期の臨床事故軽減にむけて大きく寄与し得ると考えております。また本研究へのご参加はあなた自身の意思に基づくものであり強制ではございません。本研究へご参加しないことが、医療処置・判断に影響する可能性はありません。

研究終了後の医療の提供

本研究終了後は、保険診療として最善の医療が提供されます。

費用の負担

CT撮影にかかる諸費用は保険診療の範囲内で賄われます。

 

研究から生じる知的財産の帰属

将来、本研究の成果が新しい発見や特許などに関係する権利を生み出す可能性がありますが、その場合その権利は研究機関や研究者などに属し、あなた個人には帰属しません。

 

研究協力の任意性と撤回

研究への参加をする・しないはあなたの意思で決めて下さい。同意されなくてもあなたの不利益になるようなことは全くありません。また、一度同意された後でも研究成果の公表前であれば、いつでも研究への参加を撤回することができます

利益相反事項

本研究は研究責任医師が責任をもって行っており、本研究の実施や報告の際に金銭的な利益やそれ以外の個人的な利益のために、公正・公平な判断を曲げるようなことはありません。本研究を行うことについては、当大学の倫理委員会に申請し、倫理的に問題がなく公正な研究を行うことができると判断を受けたうえで行っております。

研究実施責任者の氏名及び職名

筑波大学医学医療系・循環器外科 講師 松原 宗明

この研究に関する問い合わせ先

筑波大学医学医療系・循環器外科 講師 松原 宗明

 連絡先:029-853-3097(昼間)、029-853-3525(夜間および休日)